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第2回MPA/DHUフィルムワークショップ 開催 ~映画脚本シノプシス(あらすじ)コンテスト~ ピッチ審査により最優秀作品賞を選出 2014年10月27日

MPA/JIMCA(株式会社日本国際映画著作権協会)とデジタルハリウッド大学は、10月26日(日)、アカデミー賞受賞10回に輝く著名映画プロデューサー、デヴィッド・パットナム氏、国内外の著名映画監督・俳優・脚本家・プロデューサーを招聘して「第2回MPA/DHUフィルムワークショップ」(東京国際映画祭提携企画・米国大使館後援)を、デジタルハリウッド大学駿河台キャンパス内の駿河台ホールにて開催いたしました。

「キリング・フィールド」(1984年)、「炎のランナー」(1981年)、「ミッドナイト・エクスプレス」(1978年)などのプロデュースで知られるデヴィッド・パットナム氏によるキーノート・プレゼンテーション「映画におけるストーリーテリング」は、パットナム氏の映画製作の歴史を紐解きながら、感銘を受けた作品なども紹介して、鑑賞後に何時間も観た者同士がその映画について語り合える映画の素晴らしさを解説しました。
パットナム氏のご子息で、世界的な作曲家であるサーシャ・パットナム氏がパットナム氏の生んだ名作4作品のテーマ曲をピアノで生演奏し、会場を盛り上げました。そして最後にパットナム氏は、会場の若手クリエーターたちへ、自分らしさを大事にして自信を持って前へ進むようにとのエールを贈り、イギリス映画名作百選のクリップ上映で幕を閉じるという、エンターテイメント満載の内容でした。

第2回MPA/DHUフィルムワークショップ 開催 ~映画脚本シノプシス(あらすじ)コンテスト~ ピッチ審査により最優秀作品賞を選出141026_fws3

国内外の著名映画監督、脚本家、プロデューサーによる「ストーリー」をテーマとしたパネルディスカッションでは、モデレーターに映画プロデューサーであり、弁護士でもあるルーカス・オリバーフロスト氏、パネリストとして、デヴィッド・パットナム氏、映画監督の中島良氏、脚本家・舞台演出家の岡本貴也氏、映画業界のみならず多方面で活躍されているコンサルタントのマーク・フォティ氏にご登壇頂き、活発に意見が交わされました。

午後からは、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア代表としても活躍されている、俳優の別所哲也氏に「ストーリーテリングの構築」に関してプレゼンテーションをして頂きました。別所氏は「短編映画においては、短い限られた時間内でどのようにストーリーテリングを構築するかが作品の優劣を決める」と、ストーリーテリングの重要性を語りました。会場の約50名の聴講者は、どの講目にも熱心に聴き入り、また質問の際には活発に手を上げて、貴重な聴講の機会を有意義なものにしようとの姿勢が窺えました。

第2回となる「シノプシスコンテスト」では、事前審査によりベスト20に選ばれた応募者が5名ずつ4グループに分かれ、メンタリング・セッションと称し各グループ2名の審査員に向けて口頭でピッチ(プレゼンテーション)を行いました。
これに対し審査員が審査及びアドバイスを与える二次審査が行われました。
審査員は、前半の講演・ディスカッションの5名に加え、ワーナー・ブラザース映画 ジャパン・コンテンツ事業グループ邦画事業部 調整部長の上木則安氏、MPAアジア太平洋本部 プレジデント・アンド・マネージング・ディレクターのマイク・エリス氏、同コミュニケーション・ディレクターのスティーブン・ジェナー氏が務め、計8名(各グループから2名)のファイナリストが選出されました。
最終審査では、ベスト8に選出された8組9名(共作が1組)が会場全体に向けてプレゼンテーションを行ない、審査員による質問や建設的なフィードバック及び審査を経て、最優秀作品賞が選ばれて発表されました。
最優秀作品賞には、ある暴力団組長が激しい抗争の中、童貞喪失をしようと悪戦苦闘する物語を描いた「童貞組長」を執筆した作田勇人(サクタ ハヤト)さん(東京都品川区、41歳)が選ばれ、副賞として「ハリウッドの旅5日間」が贈られました。
また、プレジデント特別賞には京相絵里子(キョウソウ エリコ)さん(東京都世田谷区、29歳)が選ばれました。
同コンテストは、未来の日本を代表する脚本家発掘を趣旨としており、 今回は204作品の応募がありました。 

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パネリスト、および「シノプシスコンテスト」の審査員として参加された岡本氏からは、終了後に『刺激的な一日でした。英・米・豪の豪腕プロデューサーたちと、これから羽ばたく若きクリエイターたちに、満腔の謝意を!』とコメントを頂きました。
また、中島氏からは『ワークショップは自分にとって強い励みになりました。若いクリエイターの企画コンペはとても刺激になり、パットナム卿や別所哲也さんのプレゼンテーションは素晴らしいものでした。自分の企画を立ち上げ、映画にすることは自分にしかできない、各国の映画人の信念が込められた言葉を直接聞ける機会に恵まれたことを大変光栄に思います。』のコメントを頂きました。

来年度も、第3回となるMPA/DHUフィルムワークショップの開催を、東京国際映画際期間中に予定しています。
ワークショップの写真はこちらからご覧ください。

パネリストのご紹介:
*中島良氏・映画監督 
2007年、長編自主映画『俺たちの世界』が第29回 ぴあフィルムフェスティバルにて審査員特別賞を含む3賞を受賞、同作品はバンクーバー国際 映画祭、ロッテルダム国際映画祭など海外の映画祭多数に招待され、08年7月のニューヨーク・ アジア映画祭で最優秀新人賞を受賞。09年『RISE UP』にて商業映画デビュー。2014年4月に「俺たちの明日」が公開されました。

*岡本貴也氏 :脚本家 
テレビドラマ、映画、演劇、小説と幅広く執筆。主な代表作はNHKドラマ「銀二貫」、映画「俺たちの明日」「想いのこし」、舞台「朗読劇 私の頭の中の消しゴム」「スイッチを押すとき」、小説「彼女との上手な別れ方」「神様の休日」、他多数